持続する精神
○土曜日。
今年で、数え年90になる報道カメラマンの講演会&写真展に行く。
「遺言」と題されたように、氏の思いの丈を聴く場であった。
先の戦争、従軍体験が自身の原点というだけに、その後の知見も交えての戦争の話が多くを占めた。憲法「改正」への危惧も聞かれた。
広島の、ある被爆者を20年以上、撮影し続けた写真とエピソードには、胸が詰まった。
そして、今も現役の報道カメラマンとして、時折、現場に立つ氏の姿に、感動した。
「『終戦』と言う人とは、僕は口を利かんようにしています(笑)。あの戦争は、負けた戦争です。『敗戦』なんです。『終戦』とは、戦争責任をあいまいにしようと考えた言葉なんです」
話の中に、氏のユーモアが時折、かいま見えた。
そこに、持続する精神を思う。